super_x.com 気になるもの 平成17(2005)年9月15日 産経抄

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平成17(2005)年9月15日 産経抄 

平成17(2005)年9月15日 産経抄

 君子は豹変(ひょうへん)するものである。だから、郵政民営化に反対したキーマン、中曽根弘文参院議員の変わり身には驚かない。「民意を尊重する」と法案賛成に回るのは結構なことだ。中曽根氏の父君は風向きで変わる「風見鶏」と言われても柳に風だった。

 ▼淑女も同じで、無所属で当選した野田聖子氏が「反党行為はできない」と小泉純一郎氏を首相指名することもまた重畳だ。小泉首相を「選挙の天才」と褒めちぎるのも、除名回避への処世だろう。紳士も淑女も、長いものに巻かれる我ら凡夫を映す鏡だ。

 ▼当の小泉首相にして軌道修正の名人である。小選挙区制にもっとも反対したはずが、「刺客作戦」などとこの制度をうまく使って民主党を圧倒した。靖国神社参拝でさえ、八月十五日と例大祭をずらしての参拝だ。道路公団も年金も、抜本的な改革のようでそうではない。数歩の前進で大きく踏み出した印象は残る。中身に不安でも、せめて本丸の郵政改革では、信念を貫けと多くが一票を投じた。

 ▼政治に離合集散はつきものだし、裏切り、寝技ありの権力争奪ゲームだ。郵政改革の反対派の中には、拉致事件の解決に熱心だった議員や、怪しげな人権擁護法案に反対した議員がいる。彼らのうちの幾人かは、自民党からはじき飛ばされたままなのが惜しい。

 ▼首相は権力基盤を固めたいま、今度は統治の度量が問われることになる。漢の高祖、劉邦は項羽を倒して権力を握ると、同じ釜の飯を食った配下の実力者を排除して権力を固めた。

 ▼だが、日本の政治風土は「両雄並び立つ」ことを好む。自民党内にあって御三家、四天王が、ともに競い合うことを習いとした。ただ、東西横綱の一翼が期待される民主党の凋落(ちょうらく)が気になる。



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